SIGMA 19mm F2.8 DN+RAWTherapeeでモノクロ
RAWTherapeeを使ってモノクロ化してみた。SIGMA19mmだとカラーでは濃すぎて使わなかったフィルムシミュレーションだが、モノクロではアクロスかT-Max100を選択している。カラータブにある『白黒』を使って調整するよりもお手軽にそれらしく仕上るから楽でいい。これでPhotoshopやGIMPなどを使ってノイズを加えたらプリントでもけっこう良いんじゃなかろか。
RAWTherapeeを使うコツだが「わからないパラメータはいじらない」これに尽きる。基本的には普通のRAW現像ソフトにあるパラメータの調節だけでも問題ない仕上りになるはずだ。そんで、どうしても気になる部分・調整しきれない箇所があったらRawPedia(日本語訳あり)で調べればいい。
モノクロ記事で色について言うのも何だけどシグマのレンズは色乗り悪くて寒色系とナントカの一つ覚えのように連呼する人がいるが、SIGMA19mm DNはその正反対で色乗り濃く暖色系。しかし、その赤みが時としてRAWTherapeeの現像時に悪さをするのが問題なのだ。例えば空に木の枝がかかってるとその周囲がマゼンタがかったりする。(おそらく軸上色収差)
これはrawタブの『色収差』から調節する。デフォルトだと『自動補正』と『色ずれを回避』にチェックが入っているはずだ。
一番怪しいのは『色ずれを回避』で、これを切るとマゼンタの周囲への波及が収まる事が多いが、その代わりに画面全体の色調も赤みが抜ける。このほうが正確な色再現ではないかと思うのだが、赤っぽい画のほうが良く見える場面もあるので難しい。
『自動補正』はお好みでというしかない。RawPediaによると自動補正が最良な場合が多いそうだが、どちらかというと手動のほうがいい結果になるような?自分は手動で調整する時は上段のレッドを+1.3程度、下段のブルーを+1程度にして、そこから画像に合わせ±している。Rawタブの色収差補正はデモザイク前に適用されるので、補正で収差が減ればそのぶんデモザイクの質が向上する。
この色収差も手動でキッチリ追い込もうとするとけっこう厄介なのだが、モノクロなら自動でほとんど問題ない。SIGMA19mmの階調表現もかなりいい感じなのでモノクロ専用レンズとして使うのが一番いいのかも。カラーだと色味が違いすぎて他のレンズと発色が全く合わないしなぁ。
改めて思ったのがオリンパスのjpg品質について。 どうしてこんなどぎついシャープネスと低感度から質感を損うようなノイズリダクションかけちゃうかね…。これって2000年代半ばから後半くらいのコンデジの画像処理でしょ。Panaの1200万画素センサーだとそういう処理が必要だったのかもしれんけど、ずっとそのままってどうなのよ?
お気に入りのSIGMA 19mm F2.8 DNだって自分が本体jpg派だったとしたら間違いなくポイしてたと思う。本体jpgだと非常に人工的というかコンデジっぽい画像になってSIGMA19mmの良い所はスポイルされ、初期型14-42mmと比べて画質面でのアドバンテージがほとんどない。解像感にせよ色味にせよ、あまりにもRAWTherapee現像との差が大きすぎる。
やっぱね、OM-DとかPEN-Fってハイアマがメインのターゲット層ですよね。あちこち写真系ブログやら何やら拝見した感じだとメーカー問わずRAW現像せずに本体jpgを使う人の割合のほうがおそらく多いように見える。こういう人らがM4/3機を検討した時にメーカーサンプルやデジカメWatchあたりの撮って出し作例を見て「ああ、M4/3の小さいセンサーなんてやっぱりこんなもんか」そう思って購入やめちゃう人、けっこういるんじゃないかと思うのです。
センサー性能的にはE-M10Mk2でも低感度ではAPS-Cとあまり変わらないんだけどねぇ。DxOMarkのレビューでもISO100でダイナミックレンジが12.5EV程あってα6000との差は約0.6EV。しかもISO200ではほとんど同じ。意外な事に高感度でもISO6400くらいまでならそれほど差が開かない。画素数ぶんの違いはあるのだけれど、画素ピッチの割に案外健闘しているのだ。
(もっとも私的にはDxOはあまり信用してない。あくまで参考の1つとしてレベルの話。)
ここ数年、オリンパスだけでなくカメラ業界全体が高額路線にシフトしてる。ハイアマって高額なレンズもバンバン買ってくれる太い客な訳で、そういう層にウケるようなもっと上品な画像仕上げにしたら少しは売り上げ伸びそうな気がするのだけど。