冨士フィルム FINEPIX F200 EXR
画質はコンデジとしては大したもの…なんだけど使用頻度が低かったカメラ。どうも自分はフジとは合わんらしい。というかコンデジが苦手なんですね、きっと。とりあえずバッグに突っ込んでいたんだけど、その割に撮った写真が少ないという…。
基本的にカメラ任せで撮るのが正しい使い方。というか、あれこれ細かくいじろうとするのに向いたカメラじゃない。
どうやらレンズはPentax製のスライディングレンズシステムらしい。PentaxのOptio A40でスライディングレンズがその時によって片ボケしたりしなかったりにウンザリしてたので不安だったが、このカメラのレンズは平気なようだ。コンデジの深い被写界深度で片ボケするとほんとに気持ち悪いからね。
換算28mmからの5倍ズームだが実際はもっと広くて25mmぐらい。片ボケはないが像面湾曲はちょっとあるかな。逆光でフレアが出る時もあるがまあ優秀なレンズかと思う。
EXRモード
1200万画素のハニカムEXRで高解像度(HR)と高ダイナミックレンジ(DR)、高感度低ノイズ(SN)を使い分けられる。…んだけど設定をいちいち変えるのが面倒なんで次第にDR優先しか使わなくなった。
高解像度(HR)優先はたしかに1200万画素の解像度はあるのだが、ハニカムEXRのフィルター配列のせいか被写体によっては妙に解像度が落ちる事がある。
ダイナミックレンジ(DR)優先にした場合は1200万画素が使用できなくなり600万画素になってしまうが、昔の600万画素CCDのAPS-Cデジタル一眼レフと同等かそれ以上のダイナミックレンジ。
F200EXRのダイナミックレンジ拡張はちょっとややこしい事になっている。1200万画素での撮影時はアンダーに撮って持ち上げてという従来のタイプ。600万画素のDRでは3段ぶんの800%まで設定可能なのだがEXRセンサーによるダイナミックレンジ拡張で1~2段ぶん、それに加えて従来形式の拡張(ただしISO100では使えない)で1段ぶんの計3段。色々と面倒なのでとりあえず400%に設定しておけば問題ない。
高感度低ノイズ(SN)はDRのノイズリダクションが強烈になった感じで自分の好みに合わないのでほとんど使用せず。
EXRオートならこれら3つのモードをその状況に合わせて使い分けてくれるらしいが電池の減りも加速するとの事なので使用せず。DR優先一本で決め打ちが楽だし出来上がりの予想もつけやすいし、ハニカムEXRを活かしやすいと思うです。
その他
ISO400では全体にさらっとノイズが乗るが嫌な感じはなく普通に使える感じ。ノイズを塗り潰してしまうよりはるかにいい処理だ。今時のセンサーサイズのデカい高級コンパクトと比べたらアレだけど2009年初めのコンデジとしては上出来かと思う。
フィルムシミュレーションが「Provia」「Astia」「Velvia」の3種。実物のフィルムに似ているかといわれると微妙な感じ。単に普通・ソフト・鮮やかぐらいと思ったほうがいい。なお、この記事中の画像は全てAstiaで撮っている。
ただ、コンパクトデジタルカメラってみんなそうなんだけど色が浅い印象がある。F200EXRもやっぱり色に深みがない。ダイナミックレンジそのものは広いんだけど適正露出の幅が狭く?て、そこから外れると色が浅くなる感じ。それがちょっと残念ではある。
センサーシフトの手ぶれ補正機能があるが効果は薄く、けっこう手ぶれに悩まされた。でもこの機能がなかったらもっと酷かったはず、と思いたい。
こういうコンデジの常ではあるがマクロのAFはちょっと怪しい。思った所にピントが合わずストレスを感じる。
コンデジの癖に昔の600万画素CCDのAPS-Cデジタル一眼レフにそこそこのズームレンズをつけたぐらいの写りはなかなかインパクトがある。操作性も冨士フィルムのフルオート志向が少し薄れて昔の機種よりは使いやすくなってはいる(でも「写るンです」が目標なのは変わってなさげ…)。
F200EXR以降のFシリーズはセンサーが小型化したり、あまり写りの良くない高倍率ズームレンズになったりで1クラス落ちた感がある。フジの小型・普及クラスでここまで写るのはF200EXRが最後なのかもしれない。