Mark II最大のパワーアップにして最大の問題点。

新規に有機ELパネルを採用した事により倍率はわずかなアップだが解像度は144万→236万画素と約1.6倍になった。拡大時の10倍、14倍では拡大率が大きすぎて元画像のドットがゴリゴリ目立つためパッと見の印象は初代と大差ないように見えるかもしれない。

しかしそれ以下の7倍、5倍などではストレートに画素数の差が出てピントの見易さが大幅アップしているのがわかる。特に接写やコントラストの低い被写体だと如実に差が出るしMF時に視野を広くできる。これはとても良い。

問題はあちこちで言われているが有機ELの彩度とコントラストのバカ高さ。 室内でEVFを覗いていた時は「噂ほどじゃないな」と思ったのだが、実際に外に持ち出したらこりゃスゴイ…。何の変哲もない青空がTC-1にプロビア詰めてマイナス補正かけたようなドラマチックな青空に……。当然保存される画像は初代とほぼ同じだから違和感が洒落にならん。微妙な飛び潰れもコントラストが高すぎてよくわからんし。

空・電柱
1/500 F5.6 ISO100 M.ZuikoED14-42mm RawTherapee

暫定的な対策ではあるがjpg仕上げのコントラストと彩度を落とすとEVF像もそれに合わせて落ち着く。記録されるjpgとの差も縮まる気がするので「うわっ!」と思ったら試すと吉。(一応フォローしておくが、使っているうちに彩度・コントラスト共にすぐ慣れるのでギャーギャー騒ぐほど不便という事もない。)

OVFシミュレーションは露出とWBが反映されない代わりにDレンジを広げたモードで、使用前は「こんなん要らんわ」と思っていたのだが意外と良い感じ。見え方がキレイだし、夏の日差しが強烈な時に活躍してくれそう。初代E-M10だと光があまりに強いとEVFがアテにならなかったからね。ただし、蛍光灯やLEDなどの人工光源下では色が転びまくるため違和感がかなりある。AWBのON/OFF設定があってもいいんじゃないかなぁ。

微妙な飛び潰れがわからないという件だが、一応は警告表示をONで確認できる。余分な表示をOFFにすればINFOボタンでトグル式の切り替え可能。しかし記録される画像ではなくて、あくまでEVF像の飛び潰れに対しての警告のようだ。EVFで警告が出ていても背面液晶で画像を確認したらOKだったなんてザラにある。なのでOVFシミュレーションで使ってもあまり意味はないかも?

初代では表示までのラグが長すぎて使い物にならなかったピーキング機能は反応が早くなって実用的になってきた。ピーキングに限らずEVF回りの機能は全体に高速化されてるっぽい。